編集担当からみた技術書典7
技術書典7でサークルデビューしました!
え、サークル参加したことなかったの?って言われそうですが、はい。まったくなかったです。
大学時代にチラシやらポスターやらは作りまくってましたが、文芸誌の方はアナログ入稿でしたし部長たちにおまかせしちゃってましたしお寿司……。
というわけで、はじめて同人誌をイベント販売した記録を残しておこうと思います。
はじめに
何出したの
仕事しないzの一員として「ぼくらのスクラムウォーズ」を頒布しました。
スクラム(の生々しい現場の声がたくさん詰まった)体験記です。
私は執筆陣ではなく、編集担当としての参加でした。
(だってスクラムっていうスクラムは体験してないんだもん)
なんで出すことになったの
みんな大好きMohikanzの #scrum 部屋で
「技術書典7の申し込み開始したねー。みんなで出してみるー?」って話になり、
私書けないけど編集ならやるやるーっと、手を上げたのがきっかけになります(たぶん)。
技術書典の話題が出る前から、#scrum 部屋ではみんなの生々しいスクラムに対する悩みや希望や恨みつらみや愛憎渦巻いている状態でした。
それを体験記としてまとめたら、良い本になるんじゃないかな?!っていうところがそもそもの根本にあります。
同人誌の編集って何やるの
ざっくり言ってしまうと「執筆以外のほぼ全て」です。
今回は経験豊富な hidesuke ニキが音頭をとってくださったので、私の範疇は概ね「編集作業」だけでした。本当にありがたい……。
一般的なイベント当日までのやることリスト
- 何はともあれサークル出展申し込み
- 当選した場合は可及的すみやかに出展料の振り込み
- サークルカットを用意
- 執筆作業
- 編集作業
- レビュー・校閲
- 本文組版
- 表紙・裏表紙・背のデザイン
- 広報活動
- 配置決定とともに広報用配置図作成
- 印刷所へ入稿
- 当日必要なもの(あの布・値札などのPop類・見本誌カバーや見本誌たて)の準備
当日やることとか書いてたら別の記事もう一個かけちゃう分量になるので割愛。
あと大事なのは「お金の管理」です。すっごく大事です。複数人でやる場合はきっちりかっきりさせましょう。なあなあはダメ絶対です。
今回は複数著者がいたので相互レビューと専任レビュアーがいたので、私はあまりレビュー作業には入りませんでした。
あと、サークルカットや表紙のデザインは他の方におまかせしました。
私に デザインセンスは 無いので!
なので、やったのは「本文組版作業」と広報活動とその周辺がメインですね。
我々が当日までにやったこと
覚えている限り&記録が残っている限りを補足こみで書きます。
2019年6月5日(水) :この日に今回の同人誌の企画用kibelaページが作成&参加者リストができている。この日がサークル募集開始だったので、その日のうちに声掛け&企画確定していたものと思われます。
2019年7月10日(水):当選確定。翌日には詳細を決めるためのキックオフミーティングのセッティングがされました。
2019年7月15日(月祝):キックオフミーティング(詳細は後ほど)
2019年7月31日(水):印刷用サークルカットの締め切り
2019年8月上旬:初稿締め切り(希望)
2019年8月お盆休み:組版マスター作成
2019年8月21日(水):サークル配置発表 拡散用のサークル配置図作成とツイートによる広報の開始
2019年8月末:初稿締め切り(目標)
2019年9月頭:初稿を組版マスターに流し込み、おおよそのページ数を割り出し
2019年9月3日(火):ふりかえり会(詳細は後ほど)
2019年9月5日(木):表紙完成
2019年9月6日(金):完成稿締め切り(最終デッドライン)
2019年9月9日(月):初校作成
2019年9月10日(火):ダウンロードカード(ポストカード)入稿データ作成
2019年9月11日(水):著者チェック完了 最終校完成
2019年9月12日(木):入稿
2019年9月13日(金):電子版PDF 並びに ダウンロードカード版PDF作成
2019年9月18日(水):値札・QRなどの細かい印刷物作成・ラミネート加工
キックオフ会でやったこと決めたこと
上記のように当落決定後即キックオフ会の日程が決められました。当日までに話し合う内容のレジュメは作成済み。……サークル参加開始直後にこの企画がまとまってることといい、仕事しないzとか名乗っている割に仕事の早い人達です。
キックオフ会はとあるコワーキングオフィスの共有スペースで行われました。執筆陣のうち一人だけ都合で現地には来られなかったので、Discordで音声をつなぎ、議事録はHackMDで作成しました。
決めたこと
- 誰が何を書くか、何をやるかの担当分け
- 各章の順番
- ざっくりとしたページ数(後々皆さん大幅にオーバーしておりました!!!www)
- 本のサイズ・形式・白黒かカラーか・1ページのおおよその文字数
- 文体の指定
- ですますで統一、数字は半角アラビア、行頭字下げ、感嘆符などのあとはスペースを入れる、句読点は、と。、注は後注、著者紹介は本文に含めない、読者層の想定と語句選定のレベル感などなど……
- 今回は複数著者だったので、同じ本の中で表記ゆれの無いように、最初にきっちり決めました。
- 執筆方法ならびにレビュー方法、編集方法
- GoogleDocsで原稿共有ならびにレビュー(コメントで
- レビューが終わったところでLintを入れる
- 最終的にInDesignで組版
- 本のタイトル
- 電子書籍を出すかどうか
ふりかえり会でやったこと
初稿がでそろい、そろそろレビュー完了の方が出てきたあたりで開催しました。
今回の同人誌活動についてみんなでFun・Done・Learnでふりかえりました。
#技術書典7 で頒布予定の「ぼくらのスクラムウォーズ」執筆者陣でふりかえり会をしました!写真はキックオフ会の時にでたタイトル案の数々です。
— 不知火/しぃ@技術書典7 2階 き23D (@shiranuik) September 3, 2019
き23Dでお待ちしてます! pic.twitter.com/HHc2pYwAyZ
ふりかえるって大事だなーって改めて思いましたし、Fun・Done・Learnでのふりかえりはわいわい楽しい感じでとっても良い経験でしたー。
このときの画像は本文あとがきにかかれておりますし、高解像度の画像も掲載されておりますのでぜひぜひ「ぼくらのスクラムウォーズ」を読んでいただきたいな!と!(
編集についての具体的な話
ここから細かい点を掘り下げていきます(ここの時点で3000字くらい行ってるけどまだまだ続くよーーー!)
どうしてRe:VIEWとかGitとか使わなかったの?
我々エンジニアの集団なので、おそらく使えないことはなかったと思うのですが、多くの参加者が初心者であること、ベテラン陣の知見が信頼と安心のAdobeにあったことにより、昔ながらの組版ということになりました。
Re:VIEWは素晴らしいと思いますし、今後ぜひぜひ挑戦したいと個人的には思っているのですが、
今回は「初の執筆活動」というドキドキ・ワクワクをすぐに形にしてもらたいたかったのです。鉄は熱いうちにガンガン打ってほしかったのです。
というわけで、どうしても執筆陣側に準備が必要になるものの選定は避けました。
電子版ってどうやって準備した?
前回の技術書典で初参加完売を成し遂げていた、おとうふ工房のあおいさんに企画当初から知見をいただきました。
電子版向けPDF(印刷向けのデータに表紙と裏表紙をくっつけ、注釈間のリンクなどの埋め込みも行ったPDF)作成後、Boothにそのままのもの(有料版)とパスワード付きZipファイル化したもの(ダウンロードカード版)の2商品を並べました。
また、ダウンロードカードの挟み込みを省力化したかったため、印刷版本文末尾にダウンロードカード版向けQRとパスワードを記載しました。
が!!!
技術書典7終了後にダウンロードカード版が解凍できないという報告をいただきました……なんてこった……私の確認不足です……。
必ず 別の端末で ダウンロードして解凍できるかどうか確認しましょうね皆さん!!!
ちなみに打ち上げ会で目の前のお肉にえうえうしながら修正成功した方法は次の圧縮方法になります。
Macの方!覚えておくといいよ!!!(修正版上げ直した後に、お肉は美味しくいただきました)
指摘してくださった読者の方、ならびに打ち上げ中に調べるの手伝ってくれたmorinさんまじで感謝っす……。
Twitter拡散のコツってなんだろ?
まず何よりも広報ツイートには画像を含めることです。
おすすめは
- サークルカット(タイトル・内容・配置がぎゅぎゅっとわかるもの)
- 表紙
- 配置図
- 自分のサークルのところを色付、入り口など目安になるものを含めて適当な大きさに切り取り、配置とタイトルかサークル名、できればどんな内容かも書いた画像
- 目次
- 本文サンプル
です。広報用素材はいくらあっても良いので、たくさんつくりましょう。
特に配置図は配置発表後に即作りましょう。あと、サークルカットの左上には配置場所を書いたほうが良いです!!!
また、含めるハッシュタグは本の内容にそくしたもの(今回の場合、私は含めませんでしたが #スクラム とか入れても良かったかもしれません)と、 「 #技術書典 」の方を入れましょう。
「#技術書典7」 ではあまりインプレッションが出ておりませんでした。
ツイートまたはリツイートするタイミングとしては、朝9時〜10時 もしくは夜10時〜12時頃が良いようです。
時間帯や日によって見ているフォロワーはバラバラです。似たような内容でも何回も広報する必要がありますよー。
複数著者がいる場合は、ぜひ著者それぞれに広報してもらいましょう。
進捗を都度つぶやくと、後々自分の進捗メモにもなるのでおすすめです。
まとめ
以上、企画から「前日まで」の内容です!
後日当日売り子編に続きます!!!!
ちなみに「ぼくらのスクラムウォーズ」は電子版のみBoothで販売中です(ダイマ